６月『あめのひ』_みつごちゃんのおもいで

「やった！　きょうはあめがふってる」
まどから、そとをみて、リボンちゃんは、にっこり。
おきにいりの、カサのでばんです。
あめのなか、リボンちゃんは、みずたまもようのかさをさして、さんぽにでかけました。

みどりのはっぱが、
つやつや、のびのび。

あめがふって、
つやつや、のびのび。

あれあれ？
はっぱのしたで、あまやどりしているのは、だれ？
かおをしかめた、カマキリぼうやです。

「あめ、きらい？」
リボンちゃんがきくと、

「うん。だって、ぼくのだいじな、カマがぬれちゃうもん」
と、カマキリぼうやは、カマについたあめのつぶを、ふきふき、こたえました。

「わたしも、あめ、いやだな」
「ぼくも、きらい」

チョウチョさんも、アリさんも、ちいさなはっぱのかげから、ぼそぼそといいます。

「そうか、じゃあ、これ、かしてあげる」
リボンちゃんは、じぶんのかさを、じめんにおきました。とたんに、あちこちから、
「いれて、いれて」と、むしたちがあつまってきました。

「でも、リボンちゃんがぬれちゃうね」
「だいじょうぶ、だいじょうぶ」

リボンちゃんは、ちいさなはっぱを、あたまにちょこんとのせました。
はっぱのうえには、あめがすきな、かたつむりのおねえさんが、きもちよさそうに、ねむっていました。

　　　　　　　　　　　　　おしまい

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