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7月『すなのクジラ』
うちだ ちえ 作/せづな ふみと 絵
きょうは、みんなで、かいすいよく。
シンちゃんとリボンちゃんは、さっそく、みずの、かけあいっこです。
「シンちゃん、ほーら」
「わあ、つめたい。やったな、ぼくだって、ほーら」
「きゃあ、つめたい。でも、きもちいいね」
つぎは、うきわをつけて、あしをばたばた。
「わたしのほうが、はやいわよ」
「リボンちゃん、まてー」
シンちゃんとリボンちゃんは、かおにかかるみずをふきふき、おおはしゃぎです。
コウくんは、はまべで、スコップですなをほったり、バケツですなをはこんだり。
なんだかいそがしそう。
しばらくすると、
「おーい、リボンちゃーん、シンちゃーん、おいでよお」
と、コウくんのこえが、きこえます。
「どうしたの?」
「わあ、これ、コウくんがつくったの? すごいなあ」
すなはまにいるのは、すなでできた、クジラでした。
パパのくるまと、おなじくらいの、おおきさです。
まるいあたまに、かわいい、め。どっしりしたせなかに、ぴんとはねた、おひれ。
「かっこいい。いまにも、およぎそうだね」
コウくんは、ほめられて、にこにこ。
「これ、のってもいいの?」
リボンちゃんがきくと、
「どうぞ。のって! のって!」
さんにんは、クジラにまたがりました。
まるで、うみのうえを、すすんでいるみたい。いいきもち。
ところが、
ザブーン
「わあ、なみがきたぞ」
ザブブーン
「あたまから、びしょぬれだ。しょっぱい」
ザブブブーン
「あらら、クジラが、ちいさくなっていくよ」
ザザブブーン
とうとう、すなのクジラは、きえてしまいました。
「あーあ、ざんねん」
「もっとあそびたかったな」
シンちゃんとリボンちゃんは、しょんぼり。
でも、コウくんは、
「ぼくのクジラは、なみにのって、うみへ、かえったんだ」
と、まんぞくそう。
そして、うみにむかって、おおきく、てをふりました。
「ばいばーい、また、あそぼうね」
おしまい
