12月『むつごちゃん』_みつごちゃんのおもいで

きのうから、ふりつづいたゆきが、みつごちゃんのいえのにわに、つもっています。

「わあ、まっしろだ。シンちゃん、コウくん、みてみて」

そとをみたリボンちゃんが、おおきなこえをだしました。

さんにんは、さっそくぼうしをかぶり、マフラーをまき、てぶくろをはめました。

わーい、ゆきのせかいへ。

リボンちゃんは、そっとゆきを、りょうてですくいました。

「ふわふわだ。これを、こうやって、こうやって」

と、ゆきをかためて、

「できたー、ゆきうさぎだよ」

リボンちゃんのつくった、ゆきうさぎをみて、

「あかいめが、かわいいね」

「それは、なんてんのみだね」

シンちゃんと、コウくんが、うさぎをなでました。

すると、「あっ」

かたほうのみみが、おれてしまいました。

「リボンちゃん、ごめん」

「だいじょうぶ。ほら、こうやって」

リボンちゃんは、ゆきをかためて、じょうずにうさぎのみみを、なおします。

それからも、さんにんは、ゆきをあつめたり、かためたり、くっつけたり、けずったり。

つめたいけど、たのしい。

つめたいけど、おもしろい。

つめたいけど、さわっていたい。

「ぎゅーっとかためて、ほらできた」

「ちからをいれすぎると、さっきの、ゆきうさぎのみみみたいに、こわれちゃう」

「そういうときは、こうやってなおすのさ」

いつのまにか、みんなからだが、ぽっかぽか。

シンちゃんとコウくんがつくったのは、みつごによくにた、ゆきだるまです。

「わあ、そっくり」

リボンちゃんは、おおよろこび。

「ぼくたち、あわせて、むつごだね」

ろくにんならんで、きねんしゃしん。

パチリ。

　　　　　　　　　　　　おしまい

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