シリーズ 「○○さんと、住育を考える」①


シリーズ一回目のインタビューは、建築家 藤原 慎太郎さんです。
藤原さんが建築の世界へ進んだ理由や、建築への想い、
そして未来を生きていく子どもたちへのメッセージを語っていただきました。

藤原 慎太郎 shintaro fujiwara
藤原・室 建築設計事務所
(藤原 慎太郎と室 喜夫が2002年に設立)

藤原 慎太郎(写真:左)
1974年 大阪府生まれ
1997年 近畿大学理工学部建築学科卒業
1999年 近畿大学大学院工学科建築科卒業
2002年 藤原・室 建築設計事務所設立
室 喜夫(写真:右)
1974年 愛知県名古屋生まれ
1997年 近畿大学理工学部建築学科卒業
2002年 藤原・室 建築設計事務所設立

藤原・室 建築設計事務所
〒543-0012
大阪市天王寺区空堀町7-4
Tel/Fax:06-6761-5577
HP / https://aplan.jp/
Blog / https://aplan.jp/blog/
Instagram/ https://www.instagram.com/ fujiwaramuroarchitects/



今回の「○○さんと、住育を考える」は、建築家 藤原 慎太郎さんです。
2002年に藤原・室 建築設計事務所を設立、設計した建築物は、数々の賞を受賞。
テレビ番組での放映や、諸外国の建築雑誌への掲載など、素晴らしい功績を世に残しています。

世界からも注目を集めている藤原さんが、「建築家」という道を選んだ理由。
それは、どんな事がきっかけとなったのでしょうか?


建築家を選んだ理由

最初に住んでいた家がマンションでした。

当時マンションに住んでいる方が少数で、周囲は一軒家が多かったです。

マンションは機能的で無駄がないのですが、学校の友人の一軒家に遊びに行くと、
それぞれの家の形や、住まい方が違うことに興味が沸き、建物の様子や生活の様子を
観察していたように思います。

学生時代、工作で何かを作ったり、美術では平面的なものより立体的な作業のほうが、
自分自身が興味を持っていることを感じ取っていました。

そういったところから進路を選択するときに、建築を選択しました。

造形的な3Dでのモノづくりでありながらも、身近な生活や住まい(人)に関係している
というところが、自分自身にとって、とてもイメージしやすかったからです。


設計事務所を設立した時の思い

当時、世間では建築設計というと、美術館や駅などの公共的な建物、
施設やビルなど大きな建物を設計する、というイメージだったように思います。

周囲では、それより小さなスケールでの、建築設計事務所の空間の面白さや魅力は、
あまり知られていないという実感がありました。

当初は知り合いの住まいなどを手掛けていて、
身近なところから色々な方にオーダーの空間作りを知ってもらい、
そこに住む人の生活が向上したり、

オーダーの空間を通じて、生活の捉え方をより良い方向に
変えたりすることができれば。と思っていました。


住育について

Juuikubooksでは、「空間を考えることの大切さ」を伝えるための活動しています。
日本の建築(特に住宅など)では、規格化された住まい(マンションや建売戸建住宅など)を多く見かけます。その住まいを選択する人の中には、「空間作り」に対してこだわりの少ない人も多いと思います。

私たちは、もっと自分の過ごす空間について向き合っていくことで、その人それぞれの人生に、更なる深みが生まれると考えています。
藤原さんが建築というお仕事をする上で、大切に考えていることは何しょうか?


住宅で言うと住まい手や依頼者の奥底には、言葉にできないが、
なにかしらイメージがあり、

それを検討することから、使用する方にとって居心地のよい空間や
刺激のある空間が提案できるのではないか、と考えています。

一般的に要望や敷地条件を踏まえて設計するというと、
すごくあたりまえのように聞こえますが、

そこにはまだまだ深堀できる要素や検討するべきところが、
沢山あると感じています。

自身から湧き出る普通の希望というものも、大事だと思っています。


住まいづくりで言うと、
特殊な職業や、特殊な要望や状況がないと面白い空間ができない
と思われているようなところがあります。

普通と思われている希望や思いも、その背景も含めて聞かせてもらえると
実はオリジナリティーやアイデアが埋もれていることが多く
それによって良いものが提案できると考えています。

また住宅・店舗・公共施設、いろんな空間のお仕事をされていますが、 それぞれクライアントさんのお話を聞く際に、心がけていることはありますか?


住まい手やオーナーの色というか、特徴や好みが、空間に無理なく
どうすれば現れていくのかを、いつも考えています。

依頼者は年齢層では20代後半から60代後半と幅広いです。

同じ言葉遣いでもそれぞれのバックグラウンドが違うと、
イメージしていることもまた違ってきて、
そのあたりを想像しながら打合せを進めていくことを大事にしています。

これから未来を生きていく子供たちへ
Juuikubooksでは、「住育」を通して、子どもたちの「空間」に対する興味が深まっていくことを願っています。 これからの未来を生きていく子どもたちへ、建築・空間を考えることの面白さ、難しさ、大切さなど、メッセージをお願いします。


建築や空間体験は、
自分自身を変える可能性を秘めていると思います。

ある住宅では、マンションの住まいから、私たちが設計した一軒家に移り住んだ後、
庭が好きになり植物が好きになり、
日ごろのファッションまで変わってしまった方が居ました。


建築や空間は建物だけでなく、その外部である庭や街並みも含めて空間です。

沢山のいろいろな場所や建物を体験し、
自分自身が興味が持てるものや出来事に出会って、
自然と建築や空間の面白さを感じてもらえればと思います。


建築や空間は、外と中を同時に考えることや、デザイン性と機能性など、
まだまだ簡単には解決できない面白さが沢山あります。

そこに生きていく上での、面白さや大切さが発見できると思います。

藤原・室 建築設計事務所

「○○さんと住育を考える」シリーズとは…

「〇〇さんと、住育を考える」シリーズは、「空間を考えることの大切さ」を伝えるためのインタ ビュー記事です。 空間を大切にすることで何が変わるのか、空間づくりはなぜ必要なのか、そして、空間について自身が感じることなど、あらゆる分野の方のお話を聞いてみたいと思います。

住育ってなんだろう
住まいの教育=住育 Juuikubooksでは、「住まい」=「すべての空間」と考えています。 食育やお金の教育のように、空間の大切さを知ることは、人生においてとても重要です。 日本では、あまり着目されてこなかった空間の重要性について、住育絵本などを通して知り学び、空間を考える力・考えた空間を表現していく力をつける事を目的としています。 その力はきっと、人生をより豊かで、彩りあるものに変えていける。 そんなメッセージを込めて、住育活動を行なっています。

Juuikubooks
絵本でつなぐ、住育と未来📕
絵本って、子どもも大人も、みんな手にとりやすく、伝わりやすいよね。
そんな発想から、住育を伝える絵本を作っています。
HP http://juuikubooks.jp Instagram @juuikubooks

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